「なんで学校に行かなくちゃいけないの?」と突然言われたら
「なんで学校に行かなくちゃいけないの?」
毎日普通に通っていた子どもに、ある日突然こう尋ねられたら,学校に行かなければならない理由をみなさんならどのように説明しますか?
はたして「学校に行く」ということにはどのような意味があるのでしょう。
問いが大きすぎて困りますよね。それに答えは決して一つではないと思いますし,どの側面から見るかによっても違ってきます。
子どもは
「学校なんて行かなくてもいい!」
「学校で勉強なんかしなくたって家でもできる」
「学校の勉強なんて社会に出たら役に立たない」
などと詰め寄ってくるでしょう。乱暴な論ではありますが,見方によっては事実の部分もあります。
しかし,これらの意見のどれもが学校に行かなくてもいいという決定的な根拠にはなりえないことも事実です。
「子どもだから」「義務教育だから」「大人になるためには必要なことだから」などと,大人の目線で子どもにいくら説明してもなかなか理解できるものでもありません。
「学びたいから学ぶ」というのが,子ども本来の姿だとすると,子どもの中に「学びたくないことを学ばされている」という意識が,現状の中に少なからずあるということがうかがえます。
「オリンピックは出場することに意味がある」と言われますが,「学校はそこで学ぶことに意味がある」のだとわたしは思います。「そこで」は文字通り学校という場所を指すわけですが,当然そこに附随する人と人とが作り出す関係(空間)も含みます。
「教師と子ども」,「子どもと子ども」が互いに関わり合う中で,そうした意味がおのずと見えてくるはずです。互いの関わりが希薄になってくると、「なぜ」という問いが子どもたちの中に生まれてくるのです。
学校で,あるいは教室で「自分らしさ」が十分に発揮されているとき,冒頭のような問いは子どもの内面に生まれてくるはずはないのです。