今からココから子どもから

一教師の日常をこそっと語りたく・・・

心の中の心のコップの話

心にはコップがある。心のコップが上を向いている人は、周りの人の話や学んだ内容、自分に起きたよいことも悪いことも、水を注ぐがごとくに、そのコップにどんどんと注いでいく。コップが上を向いている人は、生き方や態度・考え方が素直で、前向きで、真剣。

反対に、心のコップが下を向いている人もいる。こういった人たちは、周りの人のせっかくのアドバイスも耳に入らない。 下を向いたコップに水を注いでもこぼれるのと同じで、自分に起きたよいことも悪いことも、吸収できない。いつも何かに対して不満を持っていて、考え方が後ろ向きで、やる気が持てない。

「心のコップが上向きか、下向きか」 この二種類の人間についての差は、「結果に対しての考え方」に表れる。 心のコップが下を向いている人は、結果に対して「どうせ自分には無理」と、自分の「能力不足」を嘆く。つまりは「他責の念」。

一方、心のコップが上を向いている人は、たとえ結果が自分の願った通りでなかったとしても、「自分がもっとこうすればよかったのだ」と、自分の「努力不足」を反省する。 つまり「自責の念」を持つということ。 「心のコップ」は、このようにその人の考え方や感じ方という、いわば生き方全般に影響を与えるもの。

下に向いたコップでは何も受け止める事はかなわない。 心のコップを上に向ける事が、成功の秘訣、あきらめない人生の心構えだ。 そして、子のコップを上に向けることこそが親の仕事だ。 そして彼らの心に灯をともしコップに水を注ぐ彼らとするのが指導者の仕事だ。

人は、未来の夢や理想、「何のために」という目的を描くからこそ、心のコップを上に向けることができる。 心のコップが下を向いている指導者・リーダー・教師が、目の前の選手・部下・生徒の心を上に向けることはできない。

やる気のない選手や生徒、というのがいる。やる気がないように見える。 運動も勉強も、友達関係も、別に何でもいい、という生徒。そういった生徒は、心のコップが完全に下を向いてしまっていて、過去のダメだった自分の姿にとらわれ、現在から未来の自分に対して、何の期待も希望も持っていない。 こういった生徒の心のコップを上に向けられるのは、心のコップが上を向いている指導者・教師だけ。 下を向いた心、後ろばかり見ている視線を、上に向けて前に向けてやるには、未来に連れて行ってあげることしかない。 なりたい自分、かなえたい夢、こうしたいというぼんやりとした思い、そういった、たとえ小さくても輝く「未来の希望の兆し」に気づかせ、そこから今の自分を見させ、心のコップを上に向けてあげること。 心のコップが上を向けば、やがては教えられなくても、自らがその希望の兆しに気づき、主体的で前向きな生き方ができるようになる。 未来から現在を見て、やるべきことに気付きイキイキと取り組む人生は素晴らしい。

 

人は二種類。

つまり「心のコップが上を向いているか、下を向いているか」ということ。

 

“第3回あこがれ先生inながの”が大盛況のうちに終わった。要はこの心のコップを上向きに出来る人こそが「教育者」なんだと思う。大好きな中村文昭さんも「心のコップ」の話をしてた。

自戒の意味を込めて、もう一度、井田勝通さん言葉を読み返す。