今からココから子どもから

一教師の日常をこそっと語りたく・・・

夏休みが明ける前に読んでおきたい「初動」を成功させる話

夏休み明け、子どもたちは皆元気にスタートを切れたでしょうか?ここをうまく乗り越えられず不登校になってしまう子どももいます。経験からいっても子どもたちが不安定になりやすいのはやはりこの時期なのです。どう乗り越えたらいいのでしょう。

何事も始めるに当たっては、気合い・心意気が必要だ。
しかし、なかなか尻が上がらない子も多い。
特に現代は休日や連休が多くなって、リズムがすっかり休日モードになってしまい、その間、テレビやゲームなど「受動的」に過ごしてしまうことにより、ますますやる気が起きない子が増えたようだ。

何度も何度も「再スタート」を切らなければならないのが、

現代の子供たちだ。
だから、その何度もある「初め」にいかに気合いを入れ直させるかが、(厄介だが)重要なこととなっている。
特に夏休みなどの長期休みやゴールデンウィーク明けなどは、
特に初動教育が大切だ。

ここは「先取り思考」でいくのがよい。
長い休み明けなどは、どうしても多くの子どもたちが怠惰な気持ちをひきずりやすい。
(それは子どもに限らないが)そこで、「先取り」である。

放っておけば、マイナス思考に傾きやすいのも人間の脳の特徴だという。
黒板に大きく書く。
「あーぁ…」
「よーし!」
「さぁ、君たちは今朝、どっちで登校してきたかな?」
「『あーぁ…』楽しい夏休みも終わっちゃったな。
毎朝寝坊もできたし、テレビも自由に見られたのに……

あーぁ、また勉強か…」

「『よーし!』今日から二学期だ!
 夏休み、しっかり遊んだし、今日からがんばるぞ!よーし!!」

「さぁ、どっちかな?『よーし!』できた人、素晴らしいぞ。
徒競走で言えば、素晴らしいスタートが切れたね。
おめでとう。その調子でがんばっていこう!」
「『あーぁ…』で来てしまった子、よーい、ドン!で出発できなかった。
 こけちゃった? 残念!……でもね、明日からでも遅くない。
明日は『よーし!』で来るんだよ。
2学期はやりがいのある行事や学習がいっぱいだ。がんばっていこう!」

これだけで、子どもたちの弛みはかなり改善される。
できれば、前もって「始業式は「よーし!」で来るんだよ!
そう思えるよう、思いっきりやりたいこと夏休み中にやっておくんだよ」
とでも言っておけば、
さらに多くの子がよいスタートを切りやすくなる。
休み明けの弛みがちな心を制し、
初動を成功させるには、「先取り思考」が有効である。

また、この指導と合わせて、脳科学で証明されている、
「やる気」は「迎え撃つもの」でもあることを教える。
「やる気」はやることによって、
やっているうちに起こってくるもので、
それが出てくるまでじっと待つ、というのはナンセンスであるということだ。
「よーし!」と、始動してしまえば、
「やる気」が生まれる、
という逆もまた真である。
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『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』平光雄
第3章「ものごとにいかに取り組むか」

 「先取り思考」で、子どもたちにとって、いい2学期にしましょう。