今からココから子どもから

一教師の日常をこそっと語りたく・・・

PDCAサイクルを導入して学校で改善したいものは何なのか

PDCAサイクルを導入すればうまくいくっ?!

PDCAサイクルを導入しなさい!」

「学校自己評価を行い改善をはかりなさい!」

と言われて久しい教育現場ですが、イマイチ浸透していないというのが実感です。(なんていうと何処からお叱りをうけそうですが・・・)

職員会では中間反省を行い2学期スタート。「さあ、いよいよ成果をだせ」と、言わんばかりの皆様には誠に申し訳ないのですが、わたし、どうもPDCAというのが、しっくりこないのです。

Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとに業務計画の作成

Do(実施,実行):計画に沿って業務を遂行

Check(点検,評価):業務の遂行が計画に沿っているかどうかの確認,評価

Action(処置,改善):計画に沿って遂行されていない部分の処置,改善 

PDCAはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、これが目的達成のためにスパイラル状に回る仕組みが、一般的にいうPDCAサイクルです。

最初に工業製品の品質管理のために用いられたことから、工学的経営学的モデルとも呼ばれ、教育には馴染まないという意見も未だに多くあります。

 では、実際にこれを学校や教師にあてはめてみるとどうなるでしょう。 

Plan:学校における教育課程や、各教科等の学習活動の目標や内容、評価規準や評価方法等、評価の計画も含めた指導計画や指導案の組織的な編成・作成

Do:指導計画を踏まえた教育活動の実施

Check:児童生徒の学習状況の評価、それを踏まえた授業や指導計画等の評価

Action:評価を踏まえた授業改善や個に応じた指導の充実、指導計画の改善 

といった具合になるのですが、こんなの当たり前じゃないか、と思うのはわたしだけはないでしょう。馴染む馴染まないというより、何を今さら言われているのか不思議な気さえします。

個人の取り組み主に授業)で見る限り、大なり小なりこのPDCAサイクルになっているのが普通だと思うので、多くの方々がこのPDCAサイクルが運用できていると思っているのではないかと推察されます。

 

組織の発展、存在価値を高めるためにPDCAはあります

しかし、一方でそれを学校という組織として見たときはどうでしょうか。

 

わたしはどうやらこの組織として、というところに今の学校が抱えている問題があると思っています。個人個人ではかなりがんばっているのに、組織として見たときの脆さや進むべき方向性の弱さを感じてしまうのです。

わたしはPDCAサイクルを導入すればすべてがうまくいく、などと言いたい訳ではありません。むしろ個人的な意見としては、今のまま形だけ導入しても決してうまくいかないと思っています。

 

ただ、PDCAサイクルを導入しようとしたことで、学校が組織として構造的な弱さをもっているということが自分の中で明らかになっただけのことです。

あくまでもPDCAサイクルは、経済の論理であり、生産性の向上を目的としています。従って、比較してみれば学校に欠けている視点も見せてくれるわけです。

 

PDCAサイクルが機能する組織であるためには幾つかの条件が必要であり、この条件が満たされた時に初めて、PDCAサイクルは効果的に機能すると言われています。

中でも、あまりにも当然過ぎてつい忘れがちになるのが、所属する組織の発展、あるいは存在価値を高めることを目的にPDCAサイクルがあるということです。

 

そういう点において、公教育の学校というのは実にのんきな組織であると言えると思います。(そこまでの独自性をもって自校のブランディングに躍起になっている公立学校はまずないと思います)

 

何のためにPDCAサイクルを導入するのか

はたして、わたしたちは自校の発展や存在価値を高めることを目的に仕事をしているのでしょうか?

また、それを求めていく必要があるのでしょうか?

あるとすれば、それは誰のニーズでしょうか?

 

この問いの答えは、我々教師一人一人が持つべきだと思います。