今からココから子どもから

一教師の日常をこそっと語りたく・・・

授業が反転するとどうなるの?

ICT技術の進展は教育スタイルの変革をどこまで可能にするのか

そのひとつの試みが「反転授業(Flipped Classroom)」です。大学から始まり、数年前からアメリカの小中学校で試みが増えており、日本においても「反転授業」というキーワードが徐々に広がりつつあります。

そういわれても、なんのことだか、という人のためにざっくりと内容を説明します。

反転授業」とは、

【一斉授業】「教室」で講義、知識を伝達 → 「家」で復習、知識を定着

反転授業】「家」で動画による講義で予習、知識の習得 

     →「教室」では、予習して学んだことを議論、発展的な学習

というように順序が逆になることから、「反転」と呼ばれている授業スタイルのことを指します。  

要は、「反転授業」とは、伝統的な授業スタイルからの脱却を提案するものです。

日本では説明型の講義をオンライン教材化して宿題にし、従来宿題だった応用課題を教室で対話的に学ぶ授業として実践されています。

「動画」というものが、今の子どもたちにいかに身近かということは、子どものそばにいれば誰もがわかることと思います。

 

ICT技術の下支えがあってこそ成り立つのが反転授業

こうした取り組みでの子どもたちの主体的な追究の様子や学力向上の成果が、方々で報告されるようになり、ついには東大でも取り入れられるようなので、やがて(すぐに)教育会のトレンドになっていくのは間違いないでしょう。

反転授業ですべてやればよい、というわけではありませんが、少なくとも今現在の学校教育に対する閉塞感、子どもたちの学習意欲の低下といったことに対しては大きな刺激となることは間違いありません。

やれといわれて嫌々やっていた学習から自分からやりたくて取り組む学習への変化がすぐそこまできています。

それにはICT機器が、個人で、いつでも自由に使える環境が不可欠です。タブレットやPCといったICT機器が紙とペンと同じくらい身近に使える環境がなければ、こうした実践はできないのです。

簡単に動画講義やe-Learning教材を作成したり、生徒に配布できるようようになってきましたが、まだまだ地域による差があり、導入には時間がかかるところもありそうです。わたしの住む地域もこうした実践からはずいぶん遅れてしまっています。

また、教師についても課題があります。こうした授業への転換に対しては少なからず抵抗をともなうものです。いままで経験したことのない世界への第一歩を踏み出せるかどうかは個人の資質の問題もあり、一筋縄ではいかないことでしょう。

 

一斉授業から反転授業へ。こうした教育の流れはわたしは正常なことだと思っています。一人一台のiPad。これさえあれば子どもの学びと授業は大きく変わるのです。