今からココから子どもから

一教師の日常をこそっと語りたく・・・

人を魅了する言葉を

指導者は人を魅了する言葉を持つべきだろう。

 「子どもたちが目を輝かせて耳を傾けるサッカー以外の言葉を持った指導者が足りない。それは日本サッカー協会のコーチライセンス講座では身につかない」(大倉智「フットボールの熱源」日本経済新聞 01.28)

氏は生き方に影響を及ぼすほどの言葉がないと、厚みと深みのある、たくましい選手は育てられないのでは、という。

バルセロナ(スペイン)の黄金期を築き、現在はバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に革新をもたらしているペップ・グアルディオラ監督は芸術や音楽に造詣が深く、文化人と交流があることで知られている。ディートリッヒ・シュルツェ・マルメリンクによる『ペップの狂気』には選手時代から舞台や映画を鑑賞し、本を手放さなかったグアルディオラが描かれている。大学入学資格試験の論文のテーマには哲学者カントを選んだという。
その著書に、アルゼンチン代表を世界一に導いた名将セサル・メノッティの重みのある言葉が引用されている。
ヒポクラテスによれば、医学しか知らない者は、医学について何も知らないのと同じだ。そして、サッカーしか知らない者は、サッカーについて何もわかっていないのだよ。グアルディオラは教養を身につけており、サッカー以外のことをよくわかっている」

グアルディオラが大物選手を統率し、チームを変革できるのは、おそらく人を魅了する言葉を持ち合わせているからだろう。

確かなのは、サッカーだけを教えていても、そういう人間は育ってこないということだ。