むしろ過保護の方がいいんです
結論から言います。過保護でいいんです。
過保護が子どもをダメにする。
本当でしょうか?
衣食住を満たしてやることが保護者のつとめです。それらをすることがつまり保護です。
これが過剰になるというのはどういうことでしょう。
余分にモノを与えるということでしょうか。このことによる弊害は、子どもがモノを大切にしなくなる可能性があることです。
しかし、このことは与えるモノや与え方によって、かえってモノを大切にする子が育ちます。
例えば、親が自分の欲しいモノや時間やお金を、我慢や節約をしてまで自分(子ども)のことを優先してくれた、というような時です。子どもは感謝の思いをずっと心の中に持ちつつ、その後の人生の中でもずっと大切なエピソードとして生きていきます。
過干渉と過保護は違います
親は、社会や家庭の中で望ましい生き方を伝えるために、行動様式についての指導をします。先に生きている分、これができなかったら、将来生活していけないから、という理由で、一つ一つこうあるべきだと強化を加えるようになります。
ある程度の年齢になると、親や大人に従っていたものが、急に自立心が芽生え、少しずつ自分の力でいろんなことをやっていきたい、大人から干渉を受けたくないという感情が生まれてきます。これは正常なことです。
転ばぬ先の杖。大人はよかれと思ってやっていても、今のその子をよくみてやらないと、単なるお節介になります。これは過干渉です。
大人は先に生きている分、自分が言っていることは絶対に正しいと信念(?)をもっていますから、いっこうに引くことはしません。
言われていることが間違っていないことは、子どもだって分かっています。だからといって、やるべきことを一から十まですべて言われ続ければ、子どもは、心を閉ざすか、反抗するか、無視するか、しかありません。
子どもを無気力にしたり、反抗的にしたりしているは、実はこの過干渉によるところが大きいのです。
難しいのは、親の「子離れ」です
親離れという言葉がありますが、本当の意味で難しいのは親の子離れです。
鳥の巣立ちを例に挙げるなら、自分は飲まず食わずでえさの確保をして与え続けた親鳥が、ある日を境に、全くえさを与えなくなり、自立を促すのと同じだと思います。
どうぞ、子どもを大切してやってください。自分はかけがのない存在で、こんなに大切にされている、という思いを存分にさせてやって下さい。そういう過保護は大歓迎です。
しかし、あれもこれもと口を出し、挙げ句の果てに、子どもがやるべきことを親がやってしまうなんてことはまるでダメなのです。