いいえ、それは反抗期ではありません
「先生、この子はわたしがいくらやりなさいって言ってもぜんぜん言うことを聞かないんです。反抗期でしょうか?」
個人差はあるとは思いますが、誰もが一度くらいは経験(?)するはずの「反抗期」。なのに親になると、とたんに子どもの心理がわからなくなってしまうのはなぜでしょうね。
息子と母親となると、特にこういう傾向が強くなっていくのは気のせいではないと思います。
できる母親ほどそう感じます。なんでもよくできて、能力も高く、仕事なんかもバリバリとやっている方はとくに注意が必要です。
T:「そうでなんですね。例えばどんなことを聞かないのですか?」
母:「片付けなさいって言っても、ちっとも片付けないし、毎日勉強しなさいって言ってるのにちっともしないし、それに、・・・あとは、・・・
(10分経過)」
話を要約すると(しすぎかっ)、要は自分の言うとおりに子どもがやらないことを「反抗期」と言ってるだけですよね。
言うことを聞かないことが「反抗期」ではありません
でもそれって、本当に「反抗期」なんですかね。
「反抗」という言葉が「理由なき反抗」とすぐに結びついてしまうわたしなんかは、「そりゃちがうでしょ」と、ついついツッコミを入れたくなってしまいますが、昨今は保護者ともめると、ちょっと厄介なことになることが多いのでここは我慢・・・。
「言えばできる」子なら、親も家庭も学校も先生もどうでもいいんです。親があなたである必要もなければ、教師がわたしである必要もないんです。
ストレートに自分の要求を伝えることは、確かに大事です。てっとり早いですし。でも、自分の要求だけを子どもに押しつけていませんか?そもそも、なぜ、子どもは言われたことをやろうとしないのでしょう。
T:「それはお困りですねぇ。いつもイライラしちゃいますよね。」
母:「そうなんです。わたしも忙しいし、父親は全然かかわってくれないし、もう、わたし一人で、この子と・・・、いちいち腹がたってくるんです。」
Aしてほしければ、Bと言え
わかりきったことを言われると、うるさく感じるのは、子どもも大人も同じです。それをいちいち言われていたのでは、子どもだってたまったものではありません。
言われてできないことを、言い続けたらできるようになるという発想そのものが間違っています。
子どもはとっくに耳をふさいでいます。
「~やりなさい」
決して聞いていないわけではありません。でも今のままの言葉がけでは、その子は変わらないだろうと思います。「やりなさい」ではない言葉を、あなただけの言葉を見つけていくしかありません。
最初から親だった人はいません。最初から教師だった人もいません。
「いまから、ここから、この子から」そのことを学んでいくしかありません。
なんて、母親本人を目の前にして、こんなことなかなか言わないですけどね。
(すでに話は30分をゆうに超えています・・・トホホ)