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一教師の日常をこそっと語りたく・・・

入学式の裏側で・・・

入学式の運営は意外と大変?!

入学式というのは、その学齢に達した子どもをもつ家庭にとって重要な儀式となっていますよね。わたしたち教師にとっても大切な出会いの場です。卒業式から二十日前後でまたすぐに次の出会いがあるというのも学校ならではですね。

 

毎年のことですので滞りなく行うのが当然です。しかし、毎年行う儀式行事なのですが、じつはこの行事の運営は意外と大変なんです。

 

毎年同じ人がやれば勝手がわかっていて簡単なのですが、我々教師にも学年所属があり、子どもと一緒に学年が上がっていくの通常です。仕事も学年で割り振られることが多く、入学式はたいがい最上級になる学年が担当します。つまり、毎年運営する者が違うというわけです。

 

前回の担当者がいれば、わからないときには尋ねることもできすが、すでにその職員は転任ということもしょっちゅうです。そうなると、頼みの綱は保存されている書類や記録ということになるわけです。

 

何を言いたいのか、だんだんとわかってきてしまいましたね。そうなんです。その書類というのが実は問題なのです。

 

以前からわかりにくいなぁと思っていたのですが、近年、タスク管理をちょっとかじったことで、ようやくその“わかりにくさ”が何から来るのかわかってきました。大まかにまとめると次の三つがあげられます。

 

  ① 仕事内容が大項目でしか書かれていない

  ② 作業時間の目安がない

  ③ すべてが書かれているわけではない

 

まずは、①「仕事内容が大項目でしか書かれていない」こと

GTDをやっているみなさんなら、プロジェクト名だけが書かれていると言えばわかるでしょうか。例えば、「会場装飾」と書かれていますが、“何をどうする”かがない。花の用意をしようにも、発注先や費用、いつまでに行うといったような情報がほとんど記載されていないのです。

 

さらには、②「作業時間の目安が蓄積されていない」

およそこれくらいの時間がかかるということが経験者じゃないとほとんどわからない。子どもが手伝って準備することも多いため、作業時間内で終わらせなくてはなりません。しかし、どの仕事にどの程度の時間がかかるという目安の蓄積(記録)がまったくないために、多くの場合、間に合わずに残業になります。

 

最後の③「すべてが書かれているわけではない」というのは最悪です。

毎年繰り返す行事ですから、「去年はこうじゃなかった」「去年はこうした」という言葉が方々から聞こえてくるのです。書かれていることをなんとか解釈して、タスクにまで落とし込み、実行しようとしても、やってるはじから「それは違う」と言われたのでは、正直かないません。

 

誰もができるような「記録」と「仕組み」が必要です 

このようなことが毎年繰り返されていくとどのようになっていくと思いますか?

 

そうです。一人のところに仕事が集中していくんです。もとは誰にでもできる仕事だったはずなのに、そのことについてよく知っている教員のところに仕事が集中していくんです。だんだん専門化していって、その人に任せておけばよいくらいのところまで話が進んでしまうこともあります。当然、誰もが他の仕事や役割をもっていますので分業していくのが難しいという実情もあります。

 

仕事の「段取り」がきちんとできること、これはたしかに大事なことです。わたしも「段取り」力を身につけるためにずっと努力してきました。その人に任せておけば間違いないかもしれません。

 

しかし、わたしはこれだけではダメだと思うのです。

誰「も」ができる仕事は、誰「でも」できるようにしていかなければその仕事が今以上に発展する可能性をなくしていってしまうと考えているからです。

 

言い換えれば、マンネリ化からの脱却です。まあ、儀式ですから滞りなくやるということを考えると、それも大事なのですが、わたしは今、そういったことをちょっと変えてやりたいなとひそかに思っています。