松岡修造という人はやはりただ者ではない
某TVでやってる松岡修造のテニス合宿。
昨日見ました。
TV番組というものは自分たちにとって都合のいいところのみ、つまり視聴率稼ぎのために事実をゆがめて伝えることがあるメディアだ、ということを差し引いて見ても、松岡修造という人間、そのコーチングは本当にすごいと思う。
世界でベスト8、ちょっとぼけキャラ、そして、やたら熱い。彼に対しての印象はおおむねそんなところだろう。
「なんで無理だって決めんだよ!」
「あきらめるなって言ってるだけだ!」
「できるかできないかを言ってるんじゃない!」
「やめればいいだろ!やっても意味ないだろ!」
「おまえにとって一番大切なものをばかにしてるからだろ!」
「なんのためにやってんだ!信じろ!変わるから絶対!」
「なんで俺に謝るんだ!おまえのためだろ!」
そして互いの涙、涙、涙・・・。
自分を変えたい、変わりたいと考えている、ちょっと弱々しい感じの小学生たちが目の色を変えて“本気で”取り組むようになる姿は、見ていて本当に心地よい。そう感じるように編集されているということは分かっていても、あの子どもの表情は演技でも嘘でもなんでもない。まさに本気だ。
そして、子どもたちの本気を引き出しているのは、間違いなく松岡修造なのだ。
子どものプレーに対して批判や批評をする親やコーチはたくさんいるが、そんな言葉だけでは子どもは変わらない。
松岡は、子どもの内面にある「負けたくない」「悔しい」という気持ちをさらけ出すために、容赦なく厳しい言葉をかけ続ける。
子どもの心の中に葛藤が生まれる。「やれない自分」と「なりたい自分」とのせめぎ合い。そう、このままでいいのかと。
そして、子どもがクリアできそうなギリギリの課題を与え、叱咤激励しながらも子どものヤル気を鼓舞し、必ず達成させる。その瞬間、まさに間髪入れずにまるで自分ができたかのように本気で喜び抱きしめる。そこにはうれし涙が常にある。
スポーツや人生においてこういう経験をしている人はいったいどれだけいるのだろうか。子どものヤル気スイッチをONにできる大人はそんなにたくさんはいない。